1994年に起きたルワンダの内戦・虐殺は世界中の注目を集め、5年が経過した現在では、ルワンダで瓦解した国家再生のキーワードとして掲げられた「国民和解(National Reconciliation)」の前提となる難民帰還・再定住、インフラ整備、経済再建等は、国際社会の支援により徐々に解決してきたと言えます。よって国民再融和そのものを狙いとした具体的なプログラムの計画・実施が可能となってきました。
一方で国際社会はルワンダへの関心を弱めつつあります。各国政府、国連機関や国際NGOの支援は、社会基盤を改善してきましたが、虐殺の原因となった民族の相互不信や、一度は殺し合った者達の間の融和についてはほとんど手付かずといった感じです。94年の内戦・虐殺を引き起こす原因となった、旧政府過激派やその指導下にあったインテラハムウェ(Interahamwe:民兵)により煽られた民族間の相互不信は、虐殺時の殺し合いによって深められたままなのです。
しかしこの心の和解が成らなければ、どんなに開発が進んでも、また紛争が起きないとも限りません。そうなったら、今までの国際社会やルワンダの人々の復興への努力も水泡に帰してしまうのです。
現在ルワンダでは、ガチャチャと呼ばれる草の根裁判制度で虐殺加担者を審理しています。正義の回復と和解促進を目的としていますが、この動きにも注目しています。